口腔外科
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乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきた!「抜歯」が必要な理由とタイミング
お子様の生え変わりの時期、ふとお口の中を見ると「まだ乳歯がしっかり残っているのに、その後ろから永久歯が生えてきている!」と驚かれることがあります。これは「二重歯列(にじゅうしれつ)」と呼ばれる状態で、特に下の前歯によく見られる現象です。
「放っておけばそのうち抜けるのでは?」と思われるかもしれませんが、実は適切なタイミングで乳歯を抜歯することが、将来の健康な歯並びを守るための重要な鍵となります。
なぜ、乳歯が残ったまま永久歯が
生えてくるのか?
通常、永久歯は乳歯の真下から生えてきます。その際、永久歯が乳歯の根っこを溶かしながら上がってくるため、乳歯がグラグラして自然に抜け落ちます。
しかし、永久歯が生えてくる位置が少しずれていると、乳歯の根っこが十分に溶かされず、乳歯がしっかり残ったまま永久歯が横から顔を出してしまうのです。
放置することで起こる
「3つのリスク」
「いずれ抜けるから」と放置してしまうと、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
1.永久歯の歯並びが悪くなる
永久歯が本来生えるべき場所に乳歯が居座っているため、永久歯はそれを避けて、内側や外側の不自然な位置に生えてしまいます。一度ずれた位置で生えきってしまうと、自然に正しい位置に戻るのが難しくなり、将来的な歯並びの乱れ(叢生など)に直結します。
2.虫歯のリスクが跳ね上がる
乳歯と永久歯が重なっている部分は、非常に複雑な隙間ができています。この場所はハブラシの毛先が届かず、汚れが溜まり続けるため、生えたてのデリケートな永久歯がいきなり虫歯になってしまうケースが少なくありません。
3.歯ぐきの炎症(歯肉炎)
重なり合った部分にプラークが溜まることで、歯ぐきが腫れたり痛みが出たりする原因となります。
「抜歯」を提案する
基準とは

私たちは、以下のような状況が見られる場合に抜歯をご提案しています。
- 永久歯が顔を出しているのに、乳歯が抜けていない。
- 乳歯の揺れが少なく、永久歯の位置が明らかに本来の場所から大きく逸れている。
- 重なり部分の清掃が困難で、虫歯のリスクが非常に高い。
必要に応じてレントゲンを撮影して、乳歯の根っこがどれくらい残っているか、永久歯がどの方向を向いているかを確認し、自然に抜けるのを待つべきか、介入すべきかを慎重に判断します。
「歯医者さんでの抜歯」は
怖くない?
「抜歯」という言葉に、お子様も親御様も恐怖心を感じるかもしれません。しかし、現在の歯科治療では、お子様の負担を最小限に抑える工夫をしています。
表面麻酔の徹底
チクッとする注射の前に、歯茎の表面に効く麻酔を使用してお口の感覚を麻痺させます。
痛くない麻酔
極細の針を使用し、痛みをほとんど感じさせないよう配慮しています。
短時間での処置
乳歯の抜歯自体は、数分で終わることがほとんどです。
早めの対応が、将来の「矯正」を
不要にするかもしれません
適切なタイミングで乳歯を抜いてあげると、永久歯は舌や頬の筋肉の力に押されて、自然と正しい位置に移動しようとする力を持っています。このタイミングを逃さないことが、結果として将来的な大掛かりな矯正治療を避けることに繋がるのです。
「これって抜歯が必要かな?」と少しでも迷われたら、まずは検診にお越しください。生え変わりのサインを見逃さず、お子様の「一生ものの歯」を正しい位置へと導いてあげましょう。